アニメ「劇場版Strait Jacket」のシナリオ分析 Chapter.1
劇場版のアニメを分析してみようと思い、たまたまこの作品を選びました。一度で90分のミニッツライナーをやってしまうとかなりの量になるので、三回に分けて行います。
Dアニメストアで視聴しているんですが、いい具合に三つに分けてあるのでそれに従います。今後も劇場版アニメ、もしくは実写映画も扱うつもりなのでそのテストです。やり方も色々試して行くつもり。
ちなみにこの作品の原作はライトノベルです。独特の用語が多く、wikiを見ながら書きましたが間違っている点が含まれていると思います。注意して下さい。
ミニッツライナー
作品全体の構成を見るのにまずはこの方法を使います。
ミニッツライナーとは?
シナリオ分析法の一つ。映像内で起こった事を文字にして、一分をおよそ一行で書いて行きます。その際には後で見直した時に分かりやすいよう「誰が、何をした」という形にします。
分かりやすくとは言ってもあくまで自分にとってです。未視聴の方が読んでも分かりづらいかもしれませんが、ご了承ください。
スタート
- モールドの説明
- 過去のような映像、兄妹が映る タイトル
- 街の風景
- ネリンの日常、魔法の説明
- 魔法がテクノロジーに取り入れらる
- 魔族による事故が発生
- ネリンのところに事故発生の知らせ
- レイとカペが登場
- 病院内で魔物が人を襲う、病院前にネリンが来る
- ソーサリスト(魔法使い)が足りないと言うネリン、現場の人間と揉める
- 病院の窓から人が殺されるのが見える
- 内部へ突入する部隊、壊滅
- ネリンに話しかけるカペ、ネリンが資格のない車を見つける
- 車からレイが出て来る、銃を向け免許書の提示を求めるネリン
- 銃の扱いをダメ出しするレイ
- 再び銃を向けレイに現場へ出向くように言うネリン、報酬を確認するレイ
- レイのモールドの装着?
- 病院内で女が魔族に見つかる、そこへ現れるレイ。遅れてソーサリストがやって来る
- レイと魔族の戦闘
- 野外での魔法の使用
- レイがソーサリストの評判を下げている、と別のソーサリストが言う
- ネリンによるモールドの説明、魔法を使うと呪素が貯まる・人の姿を保つ為に必要
- 主犯らしき男たちの会話、事故は必ず起きる
- 彼らをストレイトジャケットと呼んだ(タイトルの意味)
構成
全体
モールドの説明、1・22分。
街の日常風景、ネリンとレイの姿も、3~7分。
事件発生、人手不足で無免許のレイにやらせる、8~16分。
レイと魔族の戦い、事件解決、17~21分。
犯罪者の会話、23分。
戦闘の時間は数分、ほとんどの時間がネリンやレイとこの特殊な設定の説明にあてられています。前半の24分はこの設定説明と事件解決までの流れを一通り見せてますね。
その中にも犯罪者の姿と意味ありげな過去の映像がいくつか見られました。
エピソード
- ストレイト・ジャケットがどういうものか? モールドという人の形を保つ為の鎧を着て、魔族になるリスクを抱えながら魔法で戦う人間
- 病院で事故(?)が発生、現場に駆けつけたネリンだが人手が足りない。近くで見つけた無資格の男(レイ)に仕事を頼む
- ストレイト・ジャケットの評判を下げている無免許の男、レイ
- 事故に見せかけて魔族を作り出している人間たちの存在
冒頭でモールドの説明があり、最後にはそれを着て戦うストレイト・ジャケットの説明で〆ています。この24分がストレイト・ジャケットがどういうものであるかの説明であったのが分かります。
他にもレイという主人公がそのストレイト・ジャケットの中でも例外的な存在だというのが語られます。無免許・無資格、更に評判を下げているイレギュラーな存在だ、と。
見せ場
魔族と言われる異形の存在や情け容赦ない殺りくシーンは見せ場なんでしょう、一部では嫌われますが。
それ以外にも主人公の助手のような女の子(カペ)の額に目があったり、主人公の独特の立ち位置も気に成りますが、今作でどこまで触れるのかは分かりません。
一応、敵となる存在や意味深な過去の映像も出て来ましたが、それほどインパクトの強いものではありませんでした。テレビ放送と違って一週間も間が空く事はないので、そこまでの引きは必要ないんでしょう。
その他
序
序破急の序として言う事のない内容ではないでしょうか。用語が分かりにくいのは難点ですが、それなりに一連の流れが分かったと思います。
設定の説明をしつつ、物語の流れを一度見せる。それでいて全体につながるシーンがチラ見せされている。
用語
恐らく一番の問題はここでしょうね。メモを取りながら見ていて完全に勘違いしていたんですが、「ソーサリスト」というのは魔法使いのような用語です。これを捜査リストだと聞き間違えていた。
原作がラノベで文字なので、映像化の際には起こる問題です。原作を知らない人間の為に字幕等を入れて貰えると助かるんですが、作品の世界観が崩れるので嫌う監督も多いでしょう。原作を持つ作品の映像化には避けられない一つのハードルなのかもしれません。
という辺りで次のチャプター2へ行きます。