アニメ「絶園のテンペスト」13・14話のシナリオ分析
アニメ『絶園のテンペスト』のシナリオ分析、今回は13・14話です。
13話の内容をザッと説明します。13話は前半がこれまでのダイジェスト、その後に始まりの樹が世界に与えた影響が説明され、最後に絶園の魔法使いが少し登場します。
13話のミニッツライナー
まずこの方法で全体の構造を見ます。
ミニッツライナーとは?
シナリオ分析方法の一つ。映像内で起こった事を文字にして、一分をおよそ一行で書いていきます。その際には「誰が、何をした」と見返した時に分かりやすいようにします。
しかし一話ずつ観ながら書いているので、重要な部分やフラグを見逃す可能性があります。ご了承ください。
スタート
- 雪原の中に真広が倒れている、蝶にたかられる悪夢
- 目覚めると愛花が居る、悲劇は悲劇でしかないと真広
- また雪原で目覚める真広、小学生の吉野が居る
- 1話からのダイジェスト、真広の復讐の始まり
- 葉風との出会いの回想。葉風の説明、鎖部一族の説明
- 絶園の樹の果実・黒鉄病の説明
- 吉野との切れない関係、ダイジェスト
- 鎖部一族の説明、夏村・哲馬・左門
- 葉風の説明、始まりの樹との関係
- 左門とのやり取りのダイジェスト、葉風が死んでた
- やり取りのダイジェスト、吉野の提案
- やり取りのダイジェスト、鎖部一族の中に犯人は居ない
- 絶園の樹の魔法使いが居るかも、葉風がミサイル発見
- 葉風が島から戻る、吉野と真広が重傷を負う
- 愛花が、この物語は悲劇では終わらないと言う CM
- 重症を負った後の説明、軍が壊滅・人口激減
- 紛争・略奪や戦闘行為にも始まりの樹が介入、平和に
- 砂漠が森に、海が綺麗に
- 愛花が死んだ日の真広、帰宅する
- 愛花の死体の前で叫ぶ真広
- 真広が病室で目覚める、左門が来る。変化した風景
- 吉野を殺せるか? と左門が問う
- ED
- 工事現場の羽村、彼女に振られた。自分が絶園の樹の魔法使い
構成
全体
夢の中の出来事であるという説明、1~3分。
1話からのダイジェスト、4~14分。
その後の世界がどうなったか、15~20分。
次回への引き、21~24分
CMは15分辺り、ダイジェストが終わった少し後です。
半分はこれまでのダイジェストなんですが、序盤に夢の中を何度も行き来して夢の中である事が強調されています。更に今まで触れていたけれどしっかり描かれていなかった真広が愛花の死に触れたシーンがあるなど、ダイジェストを挟んで前後に強い印象を残しているのも見事です。
ダイジェストでありながら真広視点という今まで余り語っていなかった人物の視点になっているのも興味深いですね。
そして最後の引きも凄いです。この作品は引きをかなり意識して作られているようですね。リアタイで観ていたら続きが気になって仕方がなかったでしょう。
エピソード
- これまでのエピソード
- 吉野と真広が重症を負った後、世界がどう変わったか?
- 将来性がないと彼女に振られた羽村は絶園の魔法使い
見せ場
全身に蝶がたかる悪夢、そして真広が愛花の死を知ったシーンは既視感がありますが新しいリアリティが足されています。こういった描き方は映像表現ならではでしょうか?
最後の引きについてはもういいでしょう。
役割
ワンクール終わった後の振り返り、情報をまとめる為にダイジェストをやるのは仕方がないと思いますが、それでも十分面白く観れたんじゃないでしょうか。
しかしストーリーの進展はほとんどなかったですね、謎を提示して終わったという感じでしょうか。
14話のミニッツライナー
では、次の14話に入ります。
スタート
- OP
- 真広に「吉野を殺せるか?」と問う左門
- 葉風が生きている事を吉野に感謝する
- 真広・左門・夏村・山本・早河でおせちを囲む、自己紹介
- 絶園の魔法使いを監視下に置きたい左門
- 絶園の樹の噂を知っている羽村
- 愛花の墓に謝罪する葉風
- 始まりの樹の力を恐れる葉風
- 葉風が吉野に惚れたらしい、と左門
- 惚れた理由は、初めての困難に力を貸したのが吉野だから
- 吉野の決断で世界が決まる、と左門が言う CM
- トイレの中で吉野に対する好悪の感情が入り混じる葉風
- 吉野と話している羽村をいきなり蹴る葉風、富士山へ行きたい羽村
- 富士山の現状説明、自らが絶園の魔法使いだと明かす羽村
- 力の自覚がない羽村、葉風が羽村に手合わせを提案する
- 左門が吉野の危険性を真広に伝える
- 吉野対策に手を貸すと言う真広、本音は吉野を守るつもり
- 葉風が羽村に手合わせのルールを説明する
- 葉風が羽村を一方的に攻撃、ボコボコに
- 8~12話の左門とのやり取りに吉野は必要なかったと言う左門
- 葉風の攻撃を受け止める羽村、魔法を飛ばして葉風の腕を破壊。腕は直ぐに復活、葉風が羽村を倒す
- 左門の吉野に対する疑念、吉野が絶園の樹の魔法使い? 左門の元に吉野から電話、絶園の樹の魔法使いを見つけた
- ED
構成
全体
対立関係の変化、2~6分。
吉野に惚れた葉風、7~12分。
葉風と羽村の出会い、立会い、13~23分。
CMは11分辺り、吉野が世界の命運を握ったという恐ろしい台詞の後です。
始まりの樹が暴れた後に人間関係が大きく変わりました。それは山本と鎖部一族の事でもあり、吉野と葉風の関係もです。
「その後」の変化の説明はこれで終わったんでしょうか、新しいキャラである羽村と葉風が出会って立会いをするという展開に。ようやくストーリーが動いたという感じです。
エピソード
- 左門の吉野への疑い
- 葉風が吉野に惚れた
- 左門と羽村が出会い、立会いをする事に
見せ場
恋する葉風、1シーンだけでしたが。葉風と羽村の立会い、そして左門の吉野への疑い辺りでしょうか。
説明的な台詞が多く、ラブコメの要素はあるんですがそれほどシーンをさかれてはいませんでした。引きも左門たちが驚いただけで視聴者にとっては新しい情報ではなかったので、なんというか余りパッとしない回だったのかもしれません。
(メモを取りながら観ているので面白さの判断が出来ません)
では、こんなところで13・14話のシナリオ分析を終わります。