アニメ「絶園のテンペスト」3・4話のシナリオ分析
アニメ『絶園のテンペスト』のシナリオ分析、今回は3話・4話です。
3話の内容は、真広と夏村の戦闘、封鎖される街。その時のヘリによるロケットで夏村を倒す(生きてるけど)。
4話は、吉野と真広の回想回です。
3話のミニッツライナー
まずシナリオ全体を見る為にこの方法を使います、説明は以下。
ミニッツライナーとは?
シナリオ分析方法の一つです。映像内で起こった事を文字にして起こし、全体の構造を見る方法です。その際に「誰が、何をした」と分かりやすい形にする事で見返しやすくします。
しかしこの方法は完結した作品を扱うのに向いています。一話ずつ観ながら書いているので重要な部分が分かっていなかったり何かしらのフラグを見逃す場合があります。ご了承ください。
スタート
- OP
- 真広と夏村の戦い、真広の魔力が葉風の物だと気付く夏村
- 隠れる真広、そこに吉野が来る
- 追って来る夏村、魔法で逃げる吉野・真広
- 魔法で傷を治癒する真広
- 武器(鉄の棒)を確保する真広、夏村に突っ込む
- 葉風による魔法の説明、破壊の魔法はない・防御で殴る・防御力に上限がある
- 魔法には音声と供物(文明の産物)が必要
- 真広と夏村の戦い、車を供物に魔法を使う夏村
- 走る吉野、文明が必要な魔法に疑問を持つ
- 倒れている真広、起き上がり接近戦へ
- 走る吉野。葉風の説明、戦闘に長けた夏村、街中ではいくらでも魔法が使える
- 追い込まれる真広 CM 隠れる真広、愛花を思い出す
- 吉野の上空をヘリコプターが通過する
- ヘリのミサイルで橋が落とされる、街の封鎖
- 葉風に問う吉野、魔法で人は生き返らせる? 無理
- 逃げる真広、夏村を銃で撃つ、効かない。足元を撃ってガソリンに引火、爆発
- 夏村には効かず、真広に迫る夏村。吉野が乱入、逃げる吉野・真広
- 遅れて来た夏村にヘリのミサイルが
- ミサイルの説明をする吉野。瓦礫から出て来る夏村
- 田舎で爺と婆が若衆と姫様の争いの話している、えぐれた山が映る
- 電車に乗っている吉野・真広、愛花を殺したのは鎖部一族の誰かだと話す真広
- 偶然か必然か、疑問を持つ吉野
- ED
構成
全体
今回は丸々、夏村との戦闘回です。正直どこで区切るべきなのか分からず、かなり個人的な判断になります。
真広vs夏村、前半戦、2~6分。
魔法の説明、7~10分。
真広vs夏村、中盤戦、11~12分。
ヘリコプターの登場と街の隔離、13~15分。
真広vs夏村、後半戦(決着)、16~20分。
次回への引き、21~22分。
CMは13分、もっとザックリ分けるならCMの前後で前半・後半としてもいいのかもしれません。
見せ場
戦闘に次ぐ戦闘、その中で魔法の説明をしているのもお見事です。更に真広の戦い方ですが、最初は魔法同士でぶつかり合い、次に死んだフリから接近戦を仕掛けます。そして銃を使って爆発させるというトリッキーな手段に出るという手段の多様さ。
あらゆる手を使って夏村を倒そうとしてますね、メリハリがあって面白いです。
役割
魔法の説明回でしょうか。
1・2話で行っていた冒頭の回想シーンもなく、戦い自体は一応終わりましたが夏村もまだ生きています。主人公たちは次の場所へ移動しましたが、ストーリー的に大きな進展はないと考えていいでしょう。
人物の変化
街からの移動。
戦闘はありましたがその中で何かを得たり友情が深まったりという描写は無し。戦闘の駆け引きは激しいんですが、主人公格の二人はずっと過去を生きてます。
4話のミニッツライナー
このまま4話へ進みます。
スタート
- OP
- 田舎町でバスを降りる吉野・真広
- その前で二人の子供が遊んでいる、「俺たちにもあんな頃が……」
- 神社から魔具? を回収する吉野、アゲハチョウが大量発生
- 近くの老人たちに避難を呼びかける吉野、相手にされず
- 山の上に果実が現れる、子供たちに向けて魔具を投げる吉野。しかし救えず
- 近くの民家に入る吉野・真広、真広は直ぐ風呂へ
- 吉野は台所で料理、セロリを切る。二人の関係を聞く葉風
- 小学校時代の吉野と真広、回想とナレーション
- 引ったくりに轢かれた真広、セロリをよける吉野
- 教師が真広のお見舞いを募集する、誰も手を上げずに日直である吉野が行く事に
- 吉野に自分を轢いた人物を探すように頼む真広
- 計画犯だと言う真広 CM 断る吉野
- 教師に仲良しアピールをして吉野を巻き込む真広。セロリを先に食べる吉野
- 真広にいきなり犯人を特定する吉野
- 犯人特定の経緯を話す吉野
- 教師が吉野を真広係に任命する
- それからクラスもずっと一緒、と葉風に説明する吉野
- 一緒に飯を食う吉野と真広、味噌汁にセロリが入っている
- 布団に入る吉野・真広、真広に何か言いかける吉野、既に真広は寝ている
- 二人の関係を真広に聞く葉風、くらだねぇと真広
- 回想、事故を美談に仕立て上げた吉野
- ED
構成
全体
回想への導入と異変、2~6分。
吉野と真広の出会いについて、7~22分。
CMは13分、CM前にサッと引きになる台詞を持って来ています。
序盤から二人の子供を出したり、セロリに関するエピソードが入っていたり、更に謎解きもしていますね。ただの回想回ではなく色々と盛り込んであります。
こういう手腕はもうお見事と言うしかないです。
今回は後半がずっと回想なので、その前に果実を出して緊張感を出してますね。話に緩急をつける方法として前半に急展開を持って来て後半は穏やかにするというパターンがあるのかもしれません。逆を言うと前半穏やかで後半に急展開でしょうか。
見せ場
前述の通り序盤の果実、それと謎解きでしょうか。魔法のバトルはありませんでしたが十分見所があったように感じました。
役割
回想回、主要人物である吉野と真広の出会いを描いた回です。回想は人物に深みを与えるものだと思っているんですが、吉野に関してはいまだにつかみどころがないという印象です。
それに回想の割にまだ真広の妹である愛花が登場していませんね。また回想回はあると考えた方がいいんでしょうか。
人物の変化
明らかな変化として描かれたのは、真広が自販機でお金を払った事でしょうか。しかし変化というには小さいですし、どうしてそうしようと思ったのかという心の動きが読み取れませんでした。単純に見逃しただけかもしれません。
では、この辺りで3・4話のシナリオ分析を終わります。24話ある作品なのである程度まとめて書いていこうと思います。