アニメ「絶園のテンペスト」5・6話のシナリオ分析
アニメ『絶園のテンペスト』のシナリオ分析、今回は5・6話です。
5話の内容は、水族館で魔具を回収する吉野と真広、その前に現れた鎖部哲馬。そして更に強力な魔具を預かっている人物、星村の元へ行くと、既に葉風が死んでいるという情報を得る。
6話の内容は、葉風の骸骨の謎。軍人に襲撃を受けた吉野と真広だが、それは吉野と山本が計った事だった。それでも助けに来た真広と逃げる吉野、なぜ自分を疑わないのかといぶかしがる吉野。
5話のミニッツライナー
まずこの方法で全体の構造を見ます。
ミニッツライナーとは?
シナリオ分析方法の一つ、映像内で起こった事も文字にして起こし、一分をおよそ一行で書いていきます。その際には見返しやすいように「誰が、何をした」という形にします。
ですが、アニメを一話ずつ観ながら書いている為、重要な部分やフラグを見逃す可能性があります。ご了承ください。
スタート
- OP
- 島の生活に飽きたと漏らす葉風
- 森の中を歩く吉野・真広。左門の拠点、魔法で見えなくされている
- しかし果実の場所からいづれ特定されるだろうと左門が言う
- 葉風が生かされている理由は、絶園の気が暴走した際の保険だと葉風が言う
- 左門が追い詰められた状況にあると言う葉風
- 吉野の情報まとめ、鎖部一族は絶園の木の復活を阻止すること
- 吉野と真広が水族館に到着、それを見つける哲馬
- 吉野の回想、愛花との水族館デート
- 愛花の台詞「全ての事には訳がある」
- 吉野・真広が魔具を回収、そこに哲馬が現れる
- 真広が哲馬に突っ込み鎖で縛られる、吉野が化石を壊してその際に逃げる
- CM 吉野の魔具が壊れる。回想、愛花からのプレゼント(魔具と同じペンダント)
- 愛花の台詞「全ての事には」。葉風による哲馬の説明
- 葉風の台詞「全ての事には理が働いている」、吉野「全ての事に訳があるなら愛花が死んだ理由は?」
- 哲馬から逃げる吉野・真広。水槽を壊し感電を匂わせて脅す
- トラックの荷台に乗っている吉野・真広。特別な魔具の説明をする葉風、それを預けた特別な人も
- 葉風の回想、左門たちに囲まれる
- 葉風の口の中にピアス? 葉風の魔法によって山が削れる
- 降参する左門
- 星村の部屋へ行く吉野・真広。合言葉は揺れない乳は乳じゃない
- 星村から魔具を受け取る吉野、部屋の隅に葉風の仏壇がある
- 左門の拠点、左門がタルから頭蓋骨を取り出す
- ED
構成
全体
情報のまとめ、2~7分。
哲馬との対決、8~16分。
星村の部屋へ、17~23分。
CMは13分辺り、哲馬との戦闘が始まった辺りです。
珍しく三部構成ですね。面倒な情報を序盤に整理しておいて哲馬との戦闘が入り、最後は星村の部屋で意外な事実が判明します。
これがどういうミスリードなのか非常に気になるところです。
他にも「全ての事には訳がある」という台詞から吉野が怒りを感じるエピソードもありました。個人的には印象的ないいエピソードだと思うんですが、それほど扱いは大きくないようです。
見せ場
哲馬との対決シーンでしょう。とりあえず突っ込む真広とそれをフォローする吉野の機転が上手く描かれています。まぁこの前の夏村戦に比べると随分アッサリしたものですが。
後は最後の引きですね。この作品は設定が少々分かりづらく感じるんですが、全体としては冒険物のように一方向に向かっているようです。1話でちょっと混乱させられてしまいましたが……。
しかしその中でも情報の出し方でミスリードを誘う部分があったりと、ややこしいところがあります。吉野と愛花の関係もそうですね。
技術的には学びたいところではありますが、それが必ずしも面白さと直結している訳ではないのが複雑なところです。
役割
星村がどれほど重要な人物なのかは分かりません。本筋のみを考えると既に脇道にそれている気がしています。
ここから恐らく葉風の過去や背景の描写になっていくんだと思いますが、個人的に気になっているのは不破の復讐とその後の吉野の行動です。
……といっても葉風がいないと魔法の存在がない事になるので、やっぱり大事な部分なんでしょうね。
既に主要キャラ二人の説明が終わっているので、ここからまた回想が続くというと少しダレてしまう気はするんですが。まぁこの作者さんなら退屈はさせてくれないですかね。
では6話の分析に進みます。
6話のミニッツライナー
スタート
- OP
- 葉風の遺体を確認したと言う星村
- 星村の回想、左門の拠点で骨を見せられる星村
- 直感で葉風だと確信したと言う星村
- 星村は中立を保つ
- 星村の部屋を去る吉野・真広
- バスで移動する吉野・真広、星村は信用できると言う葉風。死んだと思っている理由は分からない
- 葉風が死んだと言っている左門に疑問。アゲハチョウと果実が出現
- 星村の元に夏村が現れる。運転手にバスを走らせる真広
- 星村と夏村の対決、星村が夏村を倒す
- 始まりの木の方が危険ではないかと勘繰る星村
- バスを降りて歩く吉野・真広、野宿する。真広が愛花に恋人が居たと話す、バレンタインチョコ
- 特製の魔具は銃
- 軍人に襲われる吉野・真広 CM
- 山本と車に乗っている吉野、取引の為。真広と愛花に血のつながりはないと話す山本
- 真広が目を覚まし吉野を探しに動く
- 特殊な車輌、山本が吉野に早河を紹介する。国家的な対魔法使いの組織
- 吉野と山本が魔具と銃器を交換する
- 早河が作戦を話す、が直ぐに真広が来る
- 真広vs軍人。逃げる早河の車、を追う真広。吉野が車から転げ落ちる
- 森の中で休む吉野と真広、お前を救ってやると言う真広
- 自分を疑わない真広に疑問を感じる吉野
- 真広の回想、自分と恋人関係になれるかと愛花に問う真広
- ED
構成
全体
葉風のガイコツの謎、2~8分。
星村の強さ、愛花に恋人が居た? 9~13分。
山本との取引、14~20分。
三角関係? 次回への引き、21~23分。
CMは14分辺り、軍人に襲われた直後です。
区切るのが難しい回です。愛花に恋人が居たというエピソードはそのまま最後とつながっているので一つにしてもいいんですが、展開の緩急で分けると上記のように区切るしかなかった。
まぁ余り気にしなくても良いところですが。
見せ場
軍人の奇襲ではあっけなく倒されてますね、展開のご都合と考えるべきか奇襲には弱いと考えるべきか。しかしその後の軍人との戦いでは圧倒しています。
今回は魔法vs魔法ではなく、銃器との戦闘でした。同じ戦闘シーンでもバリエーションがあるのは凄いですね。
それ以外ではサスペンス要素でしょうか。真広は一体どこまで知っているんでしょう、吉野と愛花の関係を。そして愛花と真広の関係はどういうものだったんでしょう。
三角関係を匂わすような描写もありましたが、直ぐに判明するでしょう。
役割
星村は何かキーパーソンのようですね、でないとあの強さを描く必要性がない。そして早河という第三勢力が登場して葉風と左門の対立がややこしい事になりそうです。
そういえば葉風の過去が描かれると思ったんですが、まだのようですね。それほど深堀りされていない葉風ですが、まさかこれで説明が終わりじゃないですよね?
とりあえず、これで5・6話のシナリオ分析を終わります。