アニメ「グレイプニル」10話のシナリオ分析
アニメ『グレイプニル』のシナリオ分析、前に書いていて少々時間が空きましたが1クール終了したようなので続きを書きたいと思います。
ミニッツライナー
まずはこの方法で全体の構成を見ます。具体的な方法は以下。
ミニッツライナーとは?
シナリオ分析法の一つ。映像内で起こった事を文字にして、一分をおよそ一行で書いていきます。その際に「誰が、何をした」と読み返した際に分かりやすいようにします。
しかし一話ずつ観ながら書いている為、重要な部分やフラグを見逃す場合があります。ご了承ください。
スタート
- 敵集団のボス(円)が着ぐるみに近付く、至近距離で銃を撃つ修一
- しかし銃を円に奪われる。変身を解く修一、敵集団が来る
- OP
- 修一たちに仲間(部下?)になれと言う円
- ケジメの為に一人死んで貰うから選べと言う円
- クレアは除外する、と円
- 修一たちチームの相談タイム
- 戦うと言う村上、皆殺しにされるだけと言う池内
- 池内を勇気があると褒めるクレア、当惑する池内
- 円の回想 力を手に入れる前の冴えない生活
- 相原が透明の能力を使って敵のボスを殺してくると提案する
- 見える能力者が敵に居るかもと却下するクレア
- しょげている勇に植物を成長させるクレア
- 逃げる準備が出来たと言うクレア
- いい子の修一には出来ない事をするのが自分だと話すクレア
- クレアにだけ罪を背負わせたくない、とクレアを抱きしめる修一
- 修一たちが逃げた事に気付き追いかける敵集団、そこに池内が現れる
- 夾竹桃の説明、毒素あり・煙にも含まれる。敵に味方の能力をバラそうとして小柳の能力で死ぬ池内
- 敵集団が煙を吸って次々と倒れる
- 何があっても仲間を見捨てないと言う円
- クレアが怖くなったと話す小柳、エレナの事も分からないと言う
- 姉を救えるのは私しか居ないと言うクレア
- 宇宙人の前に現れるエレナ
- ED
構成
全体
敵集団に捕まり生贄を出せと言われる、1~6分。
逃げる方法を考える、7~16分。
夾竹桃を使って逃亡、17~22分。
次回への引き、23分。
CMは13分辺りでしょうか? アイキャッチがなかったので分かりませんでしたが、もしそうならエレナが勇に夾竹桃を見せたところです。何だろう……? と思わせてからCMに行く、引きのパターンです。
今回は捕まってから逃げ出すまで、序破急の一本道でいいでしょう。序の部分は前回からの流れなので短く、中盤が10分近くあります。ラストの引きはそれほど強く感じませんでしたが、何か新しい展開がありそうですね。
エピソード
- 修一たちのチームが敵集団に捕まる、全員死ぬか一人生贄を差し出せといわれる。逃げる方法をあれこれ考えるが、最後はクレアの案で逃亡に成功する
- はぐれ者の過去を持つ円、残忍だが仲間を見捨てず修一たちを逃がす
- 敵集団に寝返ろうとした池内、仲間の能力をバラして小柳の能力で死亡
- 善良な人間でも誰かの為に残酷になれる、姉もそうだったのだと気付くクレア
メインエピソードは一番上、円や池内のエピソードもここで完結しています。クレアの気付きが今後どう活きてくるのかは分かりません。
透明化の能力を持つ相原ですが、自己犠牲的な提案をしていますね。確か8話か9話辺りで小柳に対して頬を赤らめるシーンがあったので彼女も今後何かしら大きな役割があるのだと思います。メインストーリーに絡むのかは分かりませんが。
見せ場
序盤の作戦とその失敗。そして絶体絶命の状態でどうする? という定番の問いかけですね。個人的にもあれこれ考えましたが何一つ浮かびませんでした。定番ですがやはり面白い。
しかしこんな逃げ出すだけの回にクレアの心境が描かれているのは少し驚きました。これは原作通りなんでしょうか?
その他
説明は後回し
逃げる作戦として使われた夾竹桃ですが、説明は後に回されてますね。最初に見せてその時にはまだ説明しない、そして逃げる段階でそれを説明して効果が目に見える。
基本的な描き方ですが重要です。
円に対する違和感
少々嫌な突っ込みかもしれませんが、今回敵のボスであった円の回想シーンが少しありました。見ていて個人的に刺さる描写ではあったんですが、そんな人物があれだけ好戦的で残酷であれるのか? そこに引っ掛かりを覚えてしまいました。
負け癖のついている人間というのは戦いに向いていないんですが、腹の内に溜め込んでいたキャラクターなんでしょうか。なら回想内の怒られた時の表情は少し変えた方が良かったのでは、とそんな感じです。
ではこの辺りで分析を終わります。