アニメ「グレイプニル」13話のシナリオ分析
アニメ『グレイプニル』のシナリオ分析、今回は13話で最終回となります。
13話の内容は、小柳たちのチームから抜ける修一・クレア、しかしチームのコインは千尋の手でエレナへと渡される。その現場に来た修一はエレナとの記憶を思い出し、エレナと、更に謎の白い女と戦う事に。だが白い女との戦いの最中に再び修一はエレナによって記憶を消される。
三部と再会した修一とクレア、三人は宇宙船の墜落現場へと向かう──。
ミニッツライナー
まずはこの方法でシナリオ全体を見ます、詳しいやり方は以下。
ミニッツライナーとは?
シナリオ分析法の一つ。映像内で起こった事を文字にします、一分をおよそ一行で書いていき、見直した際に分かりやすくする為に「誰が、何をした」という形にします。
しかし完結していない作品を扱う為、重要な部分やフラグを見逃す可能性があります。ご了承ください。
スタート
- 女学生の前に白い女が現れ「私は誰?」と問う。エレナはあなたを助けられないと言い、女学生は灰のように消える
- 村上と千尋に集めたコインを全て渡して戦いから手を引くように言う修一
- 千尋に判断は正しかったと言う村上
- 修一の家で映画を観るか二度と会わないか選択を強いるクレア、家へ招く修一
- 汚れた修一の家に戸惑うクレア
- 両親は共働きだと話す修一、いつから両親に会っていないの? と問うクレア。
- クレアの匂いに反応する修一、エレナとの記憶がチラつく
- 修一とクレアの首からヒモが外れる、小柳が電話でコインを渡すと言う。しかし小柳たちはエレナにコインを渡すつもり
- 翌日、エレナの記憶に迷う修一
- 愛子の同級生も修一のようにすれば救えた、とエレナが言う。修一の記憶が蘇っていない事を確認する直人
- アレ(海斗or白いほのか)が全てを思い出したら世界が終わる、と直人が言う CM
- 三船が修一とクレアを見かける。監視の相原を水の中へ突き落とすクレア
- コインは渡さない、と修一の前に立ち塞がる村上と勇。戦いは似合わないと村上、修一に道を譲る
- 川原で千尋がエレナにコインを渡す、そこに現れる修一
- 三船と自転車の二人乗りで川原近くまで来るクレア、三船はそこで去る
- 記憶が少し戻ったと話す修一、クレアがやって来て修一に人形を見せる、修一の記憶が戻る。エレナとの戦い
- エレナの回想 修一の両親と記憶が灰のように消える、白い女の姿も
- 着ぐるみvsエレナ
- 白い女が現れる、「私は誰?」と問う、答えそうになるが白い女を銃で撃つ着ぐるみ
- 目の中(脳? 意識?)へ入って来る白い女、囲まれる。エレナによって再び修一の記憶が消される
- 「私が惹かれるのはつながりだけ」「あの場所に来なければ」と意味深な言葉を残して消える白い女
- エレナの罪も背負うと言う修一、ゲームを終わらせるのは私たちだと言うエレナ。三部と再会する修一・クレア、宇宙船の墜落現場へと向かう
- ED
構成
全体
白い女の謎、1分。
チームを抜ける修一とクレア、2~3分。
記憶が少し戻る修一、4~9分。
白い女の謎、10~11分。
チームから抜ける修一とクレア、12~14分。
記憶が戻る修一、再度消される、15~20分。
白い女の謎、21分。
エピローグ、先の展開、22~23分。
ゴチャゴチャして見えるかもしれませんが、白い女の謎とチームを抜けるエピソードと記憶が戻るという話が順番に繰り返されています。
今回はOPなし、最終回には良くあること。CMは11分辺りでしょうか、直人が「アレが全て思い出したら世界が終わる」と言った後です。
エピソード
- 白い女が人を灰のようにして消す、エレナは修一の記憶を失くす事で修一を守った。アレ(海斗が白いほのか)が全てを思い出せば世界が終わると言う。記憶を取り戻した修一を襲うが、再び記憶が消されることで「私が惹かれるのはつながりだけ」「あの場所」等の意味深な言葉を残して消える白い女
- コインを全て渡して戦いから手を引くようチームにすすめる修一とクレア。小柳は二人から能力を解く、しかしコインは千尋の手でエレナへと渡される
- 修一の家の様子がおかしいと気付くクレア、しかし修一は記憶を消されていて気付かない。クレアの匂いで記憶が少し戻る修一、人形を見て完全に記憶を取り戻す。が、エレナによって再び記憶を消される
- 三部と再会して宇宙船の墜落現場へと向かう修一・エレナ
謎は解決しませんでしたが、それとないヒントはいくつか出てましたね。エピソード的にはそれぞれが繰り返し入っていて最後に全部がまとまる感じです。
チームに戦いから手を引くようにすすめて、修一が少し記憶を思い出す。チームが裏切ってエレナにコインを渡すと、その場で修一が記憶を思い出す。白い女がやって来て、謎を残したまま去って行く。
なるほど、綺麗にまとまっていますね。
見せ場
なんといっても最後のエレナとの戦闘シーンでしょう、動きが素晴らしくまさにアニメーション。命が吹き込まれるとはこういう事でしょう。
他にも白い女の不気味さや「世界が終わる」というワード、謎は解決しませんでしたが原作も終了していないので仕方がないでしょう。ミステリー要素は常にありましたね。
その他
未消化部分
何かありそうな顔をして結局なんの意味もなかったキャラクターが結構います。三船というクラスメートはその筆頭でしょうか、あれだけ意味ありげに見せておいて最後はクレアを自転車で送っただけでした。
他にも相原と小柳の関係は大した発展を見せず、虻川は本当にあれで終わりなんでしょうか? エレナチームのスバルもまだまだ活躍の余地はあるはずですね。
三部に関してはラストに少し出て来ましたが、小柳のチームに属さなかった事からチーム外での活躍やチームを助ける役割を果たすのでは? と個人的には考えていました。
まぁこの辺りも原作の方で解決してくれるでしょう、アニメはラスト以外は原作に準拠したようです。なのでこういうズレが生じるのは仕方がない。
二期?
個人的な考えですが、二期があるように思えなかったです。それは最後に情報をかなり詰め込んだという点からそう判断しました。二期をやる気なら途中で終わっていいはずです、無理に情報を出して原作とのかみ合わせを悪くする必要はない。
といっても人気があれば嫌でもやるでしょうし、その辺りの事は全く分かりません。あくまで脚本的な目で見てそう感じただけです、確証は一切なし。
まぁとにかく楽しませて貰いました。途中で他の作品を扱ったので間は開きましたが、シナリオ分析の精度が着実に上がっているようで個人的には満足しています。
全体のまとめは……、今のところ書く予定はないです。