アニメ「グレイプニル」1話のシナリオ分析
アニメ「グレイプニル」のシナリオを1話から分析していきたいと思います。アニメは6話まで視聴済み、原作はノータッチです。
ミニッツライナー
ミニッツライナーとは
まずミニッツライナーの説明をします。ミニッツライナーとは映像内で起こった事を一分ずつに分割して箇条書きにし、全体の構造を見る方法です。
その際に「誰が、何をした」というシンプルな形にします。
しかしこの作品はまだ完結していません。なので重要な部分や伏線を見逃す事もありますがご了承ください。
スタート
- 誰か分からない影、謎のコインを拾い謎の自販機に入れ、自販機から謎の男が出て来る
- OP
- タヌキの死体
- 進路相談を受けている加賀屋、推薦を断る
- 教室でクラスメートと話す加賀屋。体育の授業で校舎の外へ、タヌキの死体を見つける加賀屋
- 三船が推薦に受かったと加賀屋に言う、推薦を蹴ったのはこれが理由?
- 加賀屋の服に土がついている、埋められたタヌキの死体
- 火の臭いに気付く加賀屋、火事現場を目撃、中に人が
- 化け物(着ぐるみ)の姿に変身して火事の中へ入る加賀屋
- 転ぶ加賀屋、内側から壁を壊しクレアを救出
- 匂いに釣られてクレアの下着をずらす加賀屋、我に返って止める
- 翌日、火事のニュース、スマホをなくした加賀屋
- クレアが学校の玄関で待ち伏せ、加賀屋のスマホを見せる。加賀屋を化け物呼ばわり
- 更衣室に忍び込む加賀屋、スマホを探すが無い
- 屋上でクレアと話す加賀屋、しらばっくれる。屋上からクレアに蹴り落される加賀屋
- 変身して着地、そのまま飛んで屋上へ戻る加賀屋
- 加賀屋に体の秘密を聞くクレア、分からないと泣く加賀屋
- クレアと一緒に帰る加賀屋、クレアの自己紹介。コインを見せる
- マンションのクレアの部屋、洗い物の山。加賀屋の前で着替えるクレア
- 火事は自殺だったというクレア
- 窓の外に見知らぬ女(氷川)、加賀屋が膝蹴りを受けて倒れる
- 変身した加賀屋が氷川を押さえる、氷川も変身して加賀屋の拘束から逃れる
- ED
構成
全体
冒頭に謎の提示、そして主人公の説明が4~7分、短いです。その後、化け物の姿の説明とヒロインとの出会いが一緒に描かれます。ヒロインでありながら何を考えているのか分からず、サスペンスで進むのも面白いですね。
ヒロインの説明は18~20分、こちらも短いです。サスペンスなので謎に包まれていた方が良いからでしょう。というか名前と食器を洗わないこと、そして人前で堂々と着替えるぐらいしか分かっていません。あ、自殺未遂も明らかになりましたっけ。
最後は引きに敵の存在を持って来る。謎のコインと変身能力が主人公だけのもではないと分かります。
人物説明
最初の主人公の説明ですが、非常に短いです。4~7分、これだけ。
しかし手抜きなのかというとそうでもなくて、推薦を断ったのには理由があったり、タヌキの死体を土に埋めるシーンはカットされてますが加賀屋がやったというのは分かる。場面転換を利用して短い時間ながら気弱で優しい性格がしっかり描かれています。
ヒロインであるクレアの説明も、人物像より着替えやサービスカットに時間を割いているという感じ。この辺りも割り切っていると考えた方がいいんでしょうか。
その他
能力に対する戸惑いや不安
短いですが変身できる自分の体に対する不安や戸惑いがありました。クレアに泣きながら「自分でも分からない」というシーンは本心からでしょう。
最近、こういう能力や力に対する不安や失敗が余り描かれていないように感じます。覚醒というパターンが増えたからでしょうか。
手に入れたばかりの力を持て余したり失敗したりと、当然あってもおかしくない事が優越感や選ばれた者として無視されているのはいかがなものかと感じます。
まぁ絶対入れろとまでは思いませんが。
不信感
今回のクレアもそうですが、この作品では新しく登場した人物に対する不信感が基本的にあると感じます。相手が何を考えているか分からない、理解不能な存在として登場する。
この他者に対する恐怖のようなものは面白いですね。作者の人間不信が漏れてしまっているだけかもしれませんが、作品としての魅力にもなっています。
サービスと本質
やたらとパンチラが多いです。手っ取り早く人気を集めるにはこういったサービスが必要なんでしょう。それはアニメ化する前の雑誌の段階からされている事だと思うので文句は言えません。
ただこの作品には何かしらのイビツさを感じます。能力バトル物のテンプレートを扱いながら、どこかズレた部分がある。それが何なのかはまだ言語化できませんが、それを書くまではこういったサービスで人気を稼ぐ必要があるのだと思います。
その何かがアニメ放送内で分かる事を願うばかりです。
この辺りで1話の分析を終わります。