アニメ「グレイプニル」3話のシナリオ分析
アニメ「グレイプニル」のシナリオ分析。今回で三回目、3話です。
ミニッツライナー
シナリオを分析するのにミニッツライナーという方法を使います。ミニッツライナーの説明は以下。
ミニッツライナーとは
映像内で起こった事を「誰が、何をした」という分かりやすい形にして書いて行く方法です。一分でおおよそ一行、それを箇条書きにして全体の構造を見ます。
しかし完結していない作品を扱う場合、重要な部分が分からずに見逃す事もあります。ご了承ください。
スタート
- コインは人でないと見つけられない、宇宙人はコインを集めている?
- OP
- 散らかったクレアの部屋。服を脱ぎ出すクレア
- 合体の練習に集まった修一とクレア
- 水着を切るクレア、修一(着ぐるみ)の中に入る
- 修一とクレアの一体感。修一も体を動かせる
- 修一によって部屋が掃除される(時間経過)
- クレア姉(エレナ)の制服を出すクレア
- エレナの化け物化・両親殺しの話
- エレナの制服から多量の血の臭い、エレナを探すと決心する修一
- コンビニに買出し
- コンビニ横で食事をとる二人、エレナの話
- 修一の両親の話
- 駅の見える廃屋?で待ち伏せする修一とクレア。回想で説明
- 映画の話題
- 血の臭いに変身する修一、エレナ本人を発見
- エレナを襲う計画
- 駅前でエレナを待ち伏せする修一とクレア、銃を構える。冷静なクレアに違和感を感じる修一
- クレアの涙、修一が銃を動かし狙いが外れる
- エレナに背後を取られる、が攻撃されない。なぜか低姿勢
- 場所を変える着ぐるみとエレナ。「全て分かってる」という言葉に勘違いするクレア
- 修一をこんな姿にしたのは私だと言うエレナ。思わず言葉を漏らしたクレアに切れるエレナ、着ぐるみの頭をもぐ
- ED
構成
全体
合体の練習が3~6分、その後はエレナの捜索から発見・対面と7~23分。序盤は場所移動が全くないんですが、サービスシーンや回想シーンで単調さを防いでいます。
エレナの捜索7~15分、発見から対面で16分~23分。全体的に動きの少ない回でしたが、それを感じなかったのはエレナという人物への好奇心や恐怖心でしょうか。多量の血の臭いは一つのキーになってますね。
(でも一緒に歩きながら「この人となら話し合えるかも」とか修一が言ってましたが、血の臭いを嗅ぎながら本当にそう思えたのかは疑問です)
2話で一つの話?
1・2話はセットで一つのストーリーになってました。そして今回の3話も切りのいいところで終わっていません。これは24分×2で一つのストーリーになっていると考えた方がいいのかもしれません。
前半の24分を導入として戦闘開始や意外性のあるところで切る、そして後半の24分で一つの話を終わらせる。これは今後も観て行けばハッキリするでしょう。
ちなみに4話の内容が思い出せないと思ったら、どうも見逃しているようです。
その他
いきなりラスボス?
クレアの姉で主人公に変身の力を与えたらしいエレナが早くも登場しました。もっと引っ張ると思っていたので初めて観た時は驚いたのを憶えています。
1・2話で登場した氷川はストーリー上それほど重要とは思えない人物でした。なので今後もそういうキャラクターと連戦を繰り広げていく、というパターンが割りと多いのではないでしょうか。なのでこの展開はかなり意外性がありました。
しかしどこまで情報が明らかになるかは次話を観るまで分かりません。どういう意味があったのかも次の記事で分析したいと思います。
回想で説明
14分の部分、駅が見える廃屋らしき場所へ移動した修一とクレアですが、ここへ移動した理由が回想という形で説明されました。
ここでの回想が特に必要なものだったとは余り思えません、回想内での場所も同じだったので過去として扱う必要がそこまであったとは思えません。
これが原作通りなのか、それともアニメ化の際に原作を何らかの形で使おうとした結果こうなったのかは分かりません。
一つ思うのは、氷川の説明で回想が使われていたことです。時間を好きに進められる回想という装置は説明に使うのに適しているようです。なのでここでもそれを使ったのではないか、という事です。
これなら説明台詞を好きな場所に挿入できるし、その前後の会話もカットできます。説明台詞の違和感もなし。
そう考えると悪くない方法なのかもしれません。
クレアの人物像
今回はサービスのような設定が加えられました。処女設定やホラー映画が怖いというものです。
ニコ動のコメントでもこれには賛否あったようですね。個人的には余り興味のない内容でした。
クレアというキャラクターに対して勝手に思っているのはこんな事です。中学生辺りから一人暮らし、なので羞恥心が余り育っておらず男の前でも簡単に裸になれる。ただその割に下着は新品のような物が多く、使い古した感がないのは違和感がありますね。まぁサービスでしょうけど。
他には、自分の命を大事にしないキャラクターというとエヴァの綾波が浮かぶんですが、かなり違った感じを受けます。戦闘時に口元を歪めて見せる部分もあり、狂気を垣間見せる事もある。
自分が死んでも構わないと思っているように、他者の命にもそこまで関心がない。その辺りでしょうか。
少しブレがあるように感じるのはサービスからなのかただの理想像だからなのかは分かりません。
ではこの辺りで3話の分析を終わります。