アニメ「今、そこにいる僕」6話のシナリオ分析
アニメ『今、そこにいる僕』のシナリオ分析、今回は6話です。これでようやく半分です(13話まであるので正確には違いますが)、重量があるせいか長く感じますね。
ミニッツライナー
まずはこの方法でシナリオ全体の構成を見ます。
ミニッツライナーとは?
シナリオ分析法の一つ。映像内で起こった事を文字にして、一分をおよそ一行で書いて行きます。その際には後で見直した時に分かりやすいように「誰が、何をした」という形にします。
しかし一話ずつ観ながら書いているので、重要な部分やフラグを見逃す可能性があります。ご了承ください。
スタート
- 男の部屋へ入れられるサラ
- 丈夫な子供を産めと言う男
- 男を殴り殺すサラ
- 兵士の服を着て部屋を出るサラ
- ヘリウッドから脱走するサラ
- 自分で髪を切る
- 走るサラ
- OP
- 戦う気がないと言うシュウ
- タブールがシュウに絡んでくる、ナブカに止められる
- 良く考えろと言うナブカ
- ララ・ルゥに食事を運ぶアベリア
- ララ・ルゥに銃を向けるアベリア、王の呼び出しに従う
- 村の手前で待機するヘリウッド軍、戦いよりひどい事が始まるとナブカが言う
- 村を砲撃するヘリウッド軍、女子供を逃がす村人
- 話し合いを勧めるヘリウッド軍、応じる村長
- 村の人間は渡さないと言う村長、上官に撃たれる
- シュウが乱入するがナブカに押さえられる
- 女子供を連れ去るヘリウッド軍、隠れている子供を説得して連れ去るナブカ
- 女子供を解放するシュウ、ナブカに足を撃たれる
- 上官に報告するナブカ
- 連れて行かれる子供たち、距離を取ってから村を爆破するヘリウッド軍
- 振り返るナブカ、うつむいて歩く
- ED
構成
全体
サラの脱走、1~7分。
戦わないと言うシュウ、9~11分。
ララ・ルゥとアベリア、12~13分。
ヘリウッド軍の人さらい、14~23分。
OPまでの時間が今までより長いです、サラの脱走を区切らずに流しています。
他はララ・ルゥとアベリアのやり取りだけで、後は全てヘリウッド軍の人さらいです。ララ・ルゥの部分以外はどちらも重いエピソードで、区切らずに見せるだけの価値があると思います。
エピソード
- 男の部屋へ連れて行かれるサラ、丈夫な兵士を産めといわれる。男を殴り殺して兵士の服を盗み、そのまま闇夜にまぎれて脱走するサラ。何かと決別するように自分で髪を切る
- ララ・ルゥに嫌いだと告げるアベリア、銃を向けるが王の呼び出しに応じて銃を下ろす
- 戦う気がないと言うシュウ、ヘリウッド軍の人さらいを妨害する。しかしシュウに足を撃たれ、帰ったら軍法会議を受ける事になる
- 子供を連れ去るナブカ、戦いが終れば開放されると言う。反抗するシュウに自分もこうやって連れて来られたと言うと、誰が止めるんだと言われて言葉に詰まる。軍が引き上げた後、背後で起こった火花を見る
不毛な少年兵の連鎖のエピソードでした、これはこれで完結したエピソードですが、問題行動を取ったシュウにはこれから軍法会議が待っているようです。一体どうなってしまうんでしょう……?
アベリアの感情にはまだ良く分からない点が多いです。というかアベリア以外に幹部は居ないんでしょうか、まぁあの王様なら重鎮でも簡単に処刑しそうではありますが。
その他
脱走
サラの脱走ですが、その前にした男との殴り合いが強烈でした。フィクションでは鈍器で頭を殴れば簡単に死んでくれるというパターンが多く、それによってサッと脱出するという展開にするのもありだったと思うんですがこの作品ではそうしませんでした。
女の子の非力さというのもあるかもしれませんが、下手したら普通に殺されて終わりという危なさも表現されており、良いシーンと言っていいのか分かりませんが恐ろしいシーンに出来上がっていたと思います。
嫌な主人公補正
フィクションには主人公補正というのがあって、例えば銃弾が当たらないであったりとか重要な場面にたまたま遭遇したりとかいった類のものです。
この作品にも一応そういった補正が存在するようですが、それは主に死なない、もしくは殺されないといった方向に向いているようです。
特に今回は軍の邪魔をして即射殺されていてもおかしくない場面がいくつかありました。それでも何とか生き残れているのは補正としか言いようがないでしょう。
まぁこれをメタな視点でいうと、主人公はこの悲惨な世界の目撃者です。なので死んで貰っては困る、だからどんな状況であっても生き残るというのは既に決まっている事です。
しかし次の話では少し展開が変わるようですね。
という辺りで6話の分析を終ります。次話が楽しみです。