アニメ「絶園のテンペスト」23・24話のシナリオ分析
アニメ『絶園のテンペスト』のシナリオ分析、ついに最終話となる23・24話です。
23話の内容は、始まりの樹を倒すと決心した吉野たち、しかし現れた御柱は各国の戦艦によって守られている。変装を交換して戦う作戦に出た葉風と羽村、隙をついて羽村は身柱へと向かう。
24話の内容は、始まりの樹を倒した羽村。それぞれの現状と未来、という辺りでしょうか。
23話のミニッツライナー
シナリオを分析するのにまずはこの方法を使います。
ミニッツライナーとは?
シナリオ分析法の一つ。映像内で起こった事を文字にして、一分をおよそ一行で書いていきます。その際には見直した時に分かりやすいよう「誰が、何をした」という形にします。
しかし一話ずつ観ながら書いている為、重要な部分やフラグを見逃す場合があります。ご了承ください。
スタート
- OP
- 絶園の魔法使いが御柱への攻撃を企んでいるという情報を流した、と早河が言う
- 羽村の手紙を受け取る真広、破り捨てる
- 羽村が死んだら全て終わりだと言う真広
- 吉野と真広が作戦に参加したいと言う、反論するが折れる山本
- 船を借りるのに値切れたと喜ぶ山本、夏村・哲馬と話す
- 二人の服装にダメ出しする山本
- 荷物(写真集)整理に困る星村
- バカンス用の服装に着替えさせられた夏村・哲馬
- 人員配置に口を出す真広、不満そうな葉風
- プールで泳いでいる葉風、吉野と口論になる
- 葉風の告白、愛花の死は受け入れたが必要性は認めていないと吉野
- 大切な人の戦いを見届けたいと言う吉野
- 私を見ていろと言う葉風 CM
- 今は力がないが三十年後には世界を変える立場に居る、と真広が言う
- 羽村が羨ましい、何があっても味方だと言って勇気付ける真広
- 葉風が羽村の衣装を着て艦船へ向かう
- 艦船の前に葉風の衣装を着た羽村が現れる
- 真広が作戦を説明しつつ進行
- 艦船をおびき寄せる葉風
- 船をジャックする吉野たち、羽村が哲馬と入れ替わり御柱へ
- 吉野が船員に銃で撃たれる
- 御柱に向き合う羽村
- ED
構成
全体
作戦前の準備、コンディション調整、2~16分。
作戦開始、17~23分。
CMは14分辺り、吉野と葉風の会話後です。
前半は作戦の準備と葉風・羽村のメンタルサポートでした。主役の二人が超能力を持っていないのでこういう形で活躍しています。変わったパターンですね。
エピソード
- 絶園の魔法使いが御柱を攻撃するという情報を流し、艦船の注目を絶園の魔法使いに向ける。作戦は成功して羽村は御柱の前へと辿り着く
- 自分の死後に元恋人へ手紙を渡して欲しいと頼む羽村、真広に断られる。その後に真広に勇気付けられて作戦へ挑む
- 吉野の参加に乗り気ではない葉風、吉野に大切な人と言われやる気を出す
- 吉野が船員に銃で撃たれる
作戦とその作戦の中心である二人にやる気を出させるエピソードが中心でした。作戦だけでこれだけ時間を取るとは思っていませんでしたが、今までよりもジックリと時間を掛けて進んでいますね。
見せ場
最後の作戦とその戦闘、そして吉野と葉風の会話辺りでしょうか。それだけでも十分な気はしますが、まさか吉野が銃で撃たれるとは思ってませんでした。
最後までこういう見所を用意するというのが凄いですね。
24話のミニッツライナー
では最終話の分析に入ります。
スタート
- 御柱に向き合う羽村、左門や葉風たちが作戦を実行中
- 吉野が撃たれたのは腕だった
- 羽村の魔法が御柱に通じない、反撃を受ける羽村
- 艦を避難させる左門、艦を攻撃する始まりの樹
- 始まりの樹に海の底へと追いやられる羽村
- 真広の回想 光が存在しないと言う愛花。絶園の樹が変形
- 沈む羽村の元に絶園の剣が現れる
- 羽村が絶園の剣を振る、御柱が消滅
- 世界中の始まりの樹が消える。夢は終わりと真広が言う
- 牛丼チェーン店で飯を食う山本、犯罪が増えたと話す
- 早河の運転手をしている哲馬
- 鎖部の里、屋敷を抜け出す葉風
- 羽村に元カノから連絡がある
- 羽村が元カノと再会
- 大学入試を始めた真広、怪我が治った吉野
- 愛花の録画映像を見る吉野と真広
- 愛花から二人への感謝の言葉、真広に吉野を三発殴る許可を出す
- 最後に全裸を見せる、と嘘をついて映像が終わる
- 墓に向かって話す真広、愛花がシェイクスピアが好きだった理由、愛花は間違っているが期待通りに世界を救う
- 吉野を殴る真広
- 恋人同士は言葉がなくても通じ合えると吉野が言う
- 昔に助けた女の子と会う約束があると真広
- 特殊ED(今までの映像)
- 葉風が車から降りる、それを見ていた吉野が走って行く。見つめ合う二人
構成
全体
御柱との戦い、1~9分。
その後の世界、それぞれの未来、10~24分。
CMは9分辺りでしょうか、前編が終わってキリのいいところですね。
前半の戦いが9分とは思えないぐらい密度が高く感じました。攻撃が通じず敗北、絶体絶命からの奇跡的な出来事で勝利という割と一般的な手法だと思うんですがなぜでしょう? 愛花の回想が入ったのが原因でしょうか。
しかしその回想が展開上そこまで必要なかったこと、そして登場人物の誰も勝利には何の手も貸していないというのが妙な感じです。
エピソード
- 羽村の魔法が御柱に通じない。敗北を覚悟したが絶園の剣が現れ、その力で御柱を倒す
- 鎖部一族は早河の部下に
- 山本は恋愛相手に恵まれなさそう?
- 羽村が元カノと再会
- 愛花からの録画映像を見る吉野・真広、墓に向かって話す
- 大学入試に挑む真広、前に助けた女の子と会う予定
- 怪我が治りつつある吉野、里から出て来た葉風と会う
エピソード的には一通り完結したと考えていいでしょうか、確認はしていませんが。吉野が葉風の事を本当に好きになったのかは多少の疑問はありますが、あの年頃の男なら問題ないとも思います。
一応、それぞれが未来に向かって歩み出したというところでしょうか。
そういえば中盤に作者のメッセージがモロに入ってましたね。夢の終わり、現実を生きようという。それでも視聴者にどこまで伝わっているかは分かりません。原作者さんも物語を書き続けているですし。
見せ場
ラストバトルと大団円でしょうか。ラストに今までの映像を見せられると何も言葉がなくなってしまいます。
あ、愛花の手紙というのはあのSDカードだけだったんでしょうかね。
ではここで一旦、シナリオ分析を終わります。もう少しあれこれと分析する予定です。