アニメ「波よ聞いてくれ」6話のシナリオ分析
アニメ「波よ聞いてくれ」のシナリオ分析。今回は6話、そろそろ放送に追いつきそうです。
ミニッツライナー
ミニッツライナーとは?
まずはミニッツライナーの説明です。これは映像内で起こった事を一分ずつに分けて箇条書きにし、全体の構造を見る方法です。その際に「誰が、何をした」という形でシンプルなものにします。
しかし映画と違って完結していない物を扱う時には、作中の全ての意味が理解できないので見逃す部分もあると思います。
それを前提に始めたいと思います。
スタート
- ミナレ、カレー屋をやめる発言の撤回
- OP
- 中原とマキエの二人を見るミナレ
- 間違って父に電話するミナレ「周りから笑われる人間になれ」
- 中原の家に居る中原姉と子供、それとマキエ
- 自分の家庭環境を中原姉に話すマキエ、兄の監禁
- カレー屋に来た理由を話すマキエ
- やりたい事が見つかったと話すマキエ、カレー屋の妻?
- 麻籐の夢、シセル光明との死別
- ミナレ、家で母に電話をしている。古いラジオとシャケ、中原がいる
- 母とミナレの父の話。「尊敬される生き方をしなさい」
- シャケを前のマンションの住人に配るミナレ
- 沖にシャケを渡すミナレ、何かキナ臭いと言う中原
- ミナレ「オカルトは真っ平」
- ラジオ局にミナレ宛の怪しいFAXが、沖の名前に気付くミナレ
- 麻籐、ミナレに沖の家へ行けと言う
- ミナレと瑞穂が沖の家へ行く事に
- 沖の家へ車を飛ばすミナレ、ウキウキする瑞穂
- 沖の家に到着、中から悲鳴が
- 陰陽師の服装に着替えるミナレ・瑞穂
- お札や水晶で異様な室内、いきなり異変が起こる
- 「まさかこの後、あんな結末が待っているとは……」END
- ED
構成
全体
今回は前半をそれぞれの家庭環境説明と分類すべきでしょうか、それが4~11分。後半は沖のオカルト事件に入ります、12~22分。しかし未解決のまま次回へ持ち越し。
最後の引きが悪いものではないんですが、未解決のままだとスッキリしませんね。もしかしたら原作はドラマ化(45分枠)されるのを意識して作られているのかもしれません。
エピソードのつなぎ
ミナレが両親と電話で話し、貰ったシャケを住んでいたマンションの住人に配るという形で後半の沖のエピソードにつながっていきます。
この辺りの流れがスムーズですね、手馴れたものを感じます。
その他
読者・視聴者には分かる構造
中原とマキエが恋愛関係にないこと、マキエの動機が分かる。というこれまで引っ張った部分が説明されました。しかしこれをミナレは知らない。
読者や視聴者は知っている、という形になりました。なので知らないミナレが道化に見える事になります。読者や視聴者は「本当はこうなのにな」と思いながら知らない人間(ミナレ)を見るという構造です。
コメディやサスペンスで良く使われる手法ですね。これが今後どのように使われるのか気になるところです。
人物背景
ミナレの両親とマキエの兄、シセル光明が登場しました。どの人物もクセが強いです。
今後あれこれ起こりそうな予感しかしないんですが、アニメの1クールでどこまで分かるのかは不明。マキエの兄はやはりゴシップネタっぽい物を感じます。
ミナレの両親は対立するような事を娘に言っていますね、「笑われる人間になれ」「尊敬される生き方をしろ」と。
更に父親の方はずっと酔っ払っているようで、これがシリアスな作品ならアル中オヤジと可哀相な娘になるんですが、全くそうは見えない。
色々とテンプレートを崩してきます。こういう作品が好きです。
小ネタ多すぎ
少し前の記事で小ネタを拾っていきたいと書いていましたが、無理です、諦めます。ちょっと数が多すぎますね。
それでも一定のパターンはあって、例えばミナレが瑞穂に彼氏面するネタや、瑞穂はお笑いネタに厳しい(飲むと笑い上戸になるけど)。麻籐のロマン語りに突っ込むミナレ、等といった感じ。
これらが一分に一つは入って来るのが凄いですね。映画ネタや博識ぶりの見える部分もあるんですが、一つ気になるのは似たネタでも違うキャラが普通に使っている点です。
映画の例えですが、沖がマトリックスのネタを言っているかと思ったらミナレが~何か言っていたと思うんですが忘れました。
キャラクターに知識が固定されている訳ではなく、作中のキャラが全て同類のネタを言う。キャラ立ちより作品の色を強調してますね。
恐らくこれで全く問題ないんでしょう、ネタはどんどん出すというサービス精神の方が重要なのかもしれません。
では、6話のシナリオ分析を終わります。